[レポート][株式会社アシュアード]yamoryによる脆弱性管理の最新動向 CISA KEVとマリシャスパッケージ対策 – CODE BLUE 2022 #codeblue_jp
CODE BLUE 2022 で行われた下記セッションのレポートです。
セッション概要
タイトル
[株式会社アシュアード]yamoryによる脆弱性管理の最新動向 - CISA KEVとマリシャスパッケージ対策 -
概要
年々脆弱性の数は増加し、昨年末にはLog4Shellと呼ばれる世界中を揺るがした脆弱性も公開され、脆弱性管理の必要性が高まってきています。
また、マリシャスパッケージによる脅威も新たに生まれ、ソフトウェアサプライチェーンのセキュリティ強化がより求められています。
本発表では、最新の脆弱性管理の動向として、実際の悪用が観測された脆弱性カタログ CISA Known Exploited Vulnerabilities (KEV) Catalog、脆弱性管理フレームワーク Stakeholder-Specific Vulnerability Categorization (SSVC) とマリシャスパッケージについて紹介します。
加えて、これからの脆弱性管理に必要なことについて紹介します。
Presented by
芳澤 正敏 (株式会社アシュアード yamory事業部 シニアセキュリティアナリスト)
レポート
- yamori とは
- 脆弱性管理のクラウドサービス
- 脆弱性対策とオープンソースのライセンス違反を一元管理できる
- 国内初のクラウドサービス
- 「ワンストップ」で各事業部を横断的に可視化・管理できる
- 脆弱性データベースを独自に作成している
- SNS やブログからも情報収集している
- 内容はアナリストが分析してデータベースに保存している
- オートトリアージ機能
- 対象システムの条件に応じてトリアージしてくれる
- 例えば、ネットワーク到達性、攻撃コード流通の有無など
- 今後のサービス展開
- 診断ビジネスを始めた
- CSPM 機能も提供予定
- 近年話題となった脆弱性の紹介
- Log4j
- Dependency Confusion
- 脆弱性管理の課題
- 対応すべき脆弱性の増加と悪用までの時間の減少
- 次世代のソフトウェアサプライチェーン攻撃への対応
- 脆弱性管理の動向
- CISA KEV Catalog
- SSVC (Stakeholder-Specific Vulnerability Categorization)
- マリシャスパッケージ
- CISA KEV Catalog
- CISA が 2021/11 に提供開始した実際に悪用が観測された脆弱性のカタログ
- 掲載条件
- CVE ID が割り当てられている脆弱性
- 実際に悪用されている脆弱性
- 明確な是正ガイダンスが提供されている脆弱性
- 公開背景
- 悪用されるまでの平均時間が年々短縮されており、High/Medium/Low のものでも悪用されることがある
- 実際に悪用される脆弱性は全体の 4% 以下
- 悪用の証拠から 24 時間以内に掲載される
- これまでは悪用されたかどうかはニュースや SNS であったが、CISA KEV Catalog は信頼性のある公開
- SSVC
- 脆弱性管理における意思決定のための優先順位付けシステム
- 出力結果はスコアではなく、対応方針
- 決定木により対応方針を決定する
- CVSS の優先度付け問題への対応
- 判断するためには悪用状況などの正しい情報収集が必要
- GitHub などで PoC があるかどうか検索
- ニュースサイト、Twitter、ベンダ情報
- など
- PoC 調査は難しい
- 教育用の PoC や偽物の PoC かどうかの判断が必要
- SSVC の課題
- 優先順位付けの負担増加
- 判断に必要な情報の増加
- マリシャスパッケージ
- 悪意のあるパッケージをパブリックレジストリに公開してインストールさせる手法
- 悪用方法
- Dependency Confusion(依存関係かく乱)
- タイポスクワッティング
- 有名なパッケージとよく似た名称のパッケージとして公開
- 悪意のあるコード挿入
- 攻撃者がメンテナを引き継いで改ざんを行う例があった
- 課題
- 目視での確認が困難
- 依存関係の複雑さ
- 情報収集・共有の難しさ(CVE ID などの共通 ID がない)
- これからの脆弱性管理
- CVSS ベースからリスクベースによる優先順位付け
- CISA KEV Catalog、PoC 情報など脅威情報を使った管理
- 内外の最新情報の収集・検討ができる仕組みづくり(自動化)が必要
- マリシャスパッケージへの対応
- SBOM
- 自動化されたソリューションの導入
- CVSS ベースからリスクベースによる優先順位付け
- Yamori での脆弱性管理
- CISA KEV Catalog を取り込み予定
- リスクベースの優先順位付け(オートトリアージ機能、独自の脆弱性データベース)
- 脆弱性情報源を拡充し、マリシャスパッケージを検知
- 脆弱性診断提供開始 + CSPM 提供予定
さいごに
最近の脆弱性管理の動向を知ることができ、勉強になるセッションでした。